ABOUTONGについて

ONGが取り組む
「次世代STEAM教育」とは?

ONGは、産学が共同して次世代の研究者、技術者を育成する教育活動・アウトリーチ活動の新しいモデルを創りだすことを目的として設立されました。1997年以来継続してきた中高生を対象とするアウトリーチ活動の豊富なノウハウと、工学分野における学際的研究の強みを背景に、日本の将来を担うイノベーティブな理工系人材の育成を目的に掲げています。
ONGの教育プログラムでは、現行の学習指導要領が定める「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう主体性・人間性等」といった資質・能力の習得を目指しています。そのために、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art/Arts and Mathematics)の要素を取り入れ、学校教育における初等中等教育課程を補強するような、教科等横断型と探究型を兼ね備える教育プログラムのデザインや教材を開発しています。
特に、「知識・技能」の軸と「主体性」の軸を重視し、唯一解のない社会的課題の解決を自ら導き出すプロセスを育成するためのプログラムの開発をしています。
これまでに培ったSTEAM教育におけるノウハウを活用し、産業界や教育関係者と連携しながら、我が国のイノベーションを担う人材育成に貢献していくことをめざしています。

STEAM教育について

STEAM教育とは、社会に出て役立つ力を育むために、以下の5つの分野をバラバラに学ぶのではなく、すべてを連携させて学ぶというこれからの時代の新しい教育の考え方です。その5つの分野とは、世の中の仕組みを理解する力(なぜ?を追求)であるS (Science: 科学)、道具やアプリ、情報通信を使いこなす力であるT (Technology: 技術)、問題を解決するための設計やモノづくりの力であるE (Engineering: 工学)、新しいアイデアを生み出す創造力や表現力であるA (Art/Arts: 芸術・リベラルアーツ)、そして論理的に考え、データを分析し、正確に計算する力であるM (Mathematics: 数学)で構成されています。

なぜSTEAM教育が必要なのですか?

現在の社会には、AI(人工知能)の進化や環境問題など、教科書に答えが載っていない、複雑な課題があふれています。
STEAM教育はこれらの課題に対応できる能力を育むことを最大の目的としています。

「知る」と「つくる」のサイクル:
科学や数学で「知ったこと(探究)」を、工学や技術を使って「形にする(創造)」というサイクルを繰り返します。
創造性で課題を解決:
体験の中でさまざまな課題を発見し、クリエイティブな発想(Arts)を使って解決策を考え、それを実現していく手段を身につけます。

STEAM教育では、分野の壁を越えて、一人ひとりのワクワク(探究心)を呼び起こすとともに、AI時代に必要となる課題解決能力と新しい価値を生み出す能力を具体化することで、未来の予測が困難で変化が激しい社会の中でも活躍できる人材育成を目指します。

活動紹介

  • 未来を拓く
    産官学連携ワークショップ

    中学生・高校生を対象に、最先端科学技術の魅力や社会との結びつきを考えることを目的に、「飛行機ワークショップ」や「鉄道ワークショップ」など、産官学民連携による身近な現象を科学的に探究する取り組みを開催しています。

  • 出張授業・受入授業・研究室見学

    最先端科学技術の魅力や面白さを伝え、社会と科学技術の結びつきを学ぶことを目的に、教育・アウトリーチ活動を支援しています。

  • キャンパス公開への出展

    中学生・高校生向けプログラム「未来の科学者のための駒場リサーチキャンパス公開」の開催及び連携企業、団体による体験型ブース出展を行っています。

  • 女子学生の
    理工系進路応援プロジェクト

    本学の女子中高生理系進路選択支援企画の一環としてイベントを開催しています。また、企業と連携し、東京大学の女子学生・大学院生への進路支援も行っています。

  • 教育の未来を語るシンポジウムの開催

    産官学民をまたぐSTEAM型探究活動に関する研究会やシンポジウムを主催しています。

  • UtokyoGSC-Next

    未来社会をデザインできる革新的な科学技術人材を育成する、小学校高学年から高校生を対象とした研究活動プログラムです。小中学生の対象の第一段階では、STEAM型ワークショップ等を通して研究計画を練り、第三段階では東京大学の研究室にて自ら研究室を行います。

挨拶

次世代育成オフィス(ONG)室長 大島まり 
次長 北澤大輔 
室員 川越至桜

東京大学生産技術研究所は、産業界と連携して、最先端科学技術の学校教育導入を目指し、「次世代育成オフィス(ONG)Office for the Next Generation」を設置しました。
近年、グローバル化により国際的な競争が激化し、優秀な人材の確保が重要な課題です。我が国では、少子化のなか大学生数が微増しているにもかかわらず、理工系学部への入学者数は変化していません。そのため、製造業をはじめとする主要産業を支え、推進していく次世代の理工系人材が、将来不足すると言われています。
私たちはハイテクの工業製品に囲まれていますが、ブラックボックス化しているため、複雑で難しいという印象が強いです。また、初等中等教育課程に工学という教科がないことから、社会的に重要と認識されているにも関わらず、工学や最先端の技術の魅力に触れる機会がほとんどありません。そこで、次世代の理工系人材の層を厚くしていくために、青少年を対象に工学や最先端技術の魅力を伝え、興味や関心を喚起する新たな取組みが必要です。
東京大学生産技術研究所は、産業界と長年連携して、工学分野全般にわたる様々な学際的研究を包括的に展開してきました。また、次世代の研究者・技術者を育成して社会貢献するために、1997 年より中学生や高校生を対象としたキャンパス公開・出張授業などのアウトリーチ活動を行っています。
次世代育成オフィス(ONG)は、このような東京大学生産技術研究所の特長を生かして、産学が共同して次世代の研究者、技術者を育成する教育活動・アウトリーチ活動の新しいモデルを創りだすことを目的としています。
産業界・教育関係者のみなさま、一緒に日本の将来を担う次世代の理工系人材を育成していきましょう。

ONGトピックス(受賞等)

  • ONG トピックス

    日本科学教育学会 「科学教育実践賞」受賞

  • ONG トピックス

    日本工学教育協会 「第28回工学教育賞」受賞

  • ONG トピックス

    東京都教育委員会と東京大学生産技術研究所は、 連携協力に関する協定を締結しました

  • ONG トピックス

    東大生研次世代育成オフィスとJALによる中高生向け教育活動が 日本オペレーションズ・リサーチ学会「第48回・普及賞」を受賞!!